現代文、評論の読解勉強法

国語

今回は現代文の読解力の鍛え方について書きます。

現代文は雰囲気とかで解いている人も多いです。

しかし現代文も数学や理科のように合理的に解くことができます。

合理的な解き方を身に付け安定して高得点が取れるようにしましょう。

まず、現代文のテストで高得点をとるために必要なことを以下にまとめました。

現代文の学習3STEP

STEP1 日本語の言葉や文法を理解する
STEP2 現代文読解の基本的な方法を身につける
STEP3 演習問題を解いて実力をつける
3つのステップを順番に解説します。
STEP1の言葉文法は重要ですが、言葉や文法が重要だと気づくのは上級者かもしれません。
 
意外と上級者ほど基礎基本が大事だと気づくものです。
 
もし意味がわからなかったら飛ばしてSTEP2に行きましょう。
また手っ取り早く点数を上げたい方はSTEP2から読んでも構いません。
 
STEP2では現代文のおすすめの参考書(問題集)を紹介しています。
 
そして私なりに簡単に読解のコツも書いています。
最後にSTEP3は現代文の具体的な設問の解き方などを解説しています。
 
選択式、記述式それぞれでの解き方を確認してください。

STEP1 現代文読解の準備・日本語の言葉や文法を理解する

現代文とは、現代日本語の文章を読解する科目です。

また現代文の読解には深い日本語力が必要です。

私は、深い日本語力とは、一つ一つの言葉の意味や文の構造を理解する力だと考えています。

これまで現代文を勘で解いてきた人たちは、日本語を新しく勉強しようという気にはなりにくいでしょう。

実際、現代文は感覚で解いているという生徒も多いです。

しかし、日本語が母国語であっても、日本語を喋れるということと現代文のテストで点がとれるということは違います。

テストで安定的に点をとるためには、勘に頼るのではなく論理的に解いていくことが求められます。

そのために必要な能力こそが深い日本語力なのです。

では、深い日本語力を身につけるために、まずは日本語の言葉や文法について解説します。

日本語とはどんな言語か

まず、日本語とはどんな言語なのでしょうか。

歴史から考えてみましょう。

日本語は、ひらがなカタカナ漢字からできた言語です。

言葉の学習

日本語の学習において、一般的な高校生であればひらがな、カタカナはできるはずです。

問題は、難しい漢字です。

難しい漢字も受験で出題されるものは読み書きができる必要があります。

漢字の学習については以下の記事を見てください。

【国語の勉強】コツコツ覚える漢字

また、漢字に限らず現代文の文章では難しい言葉が出てきます。

そういった現代文の難しい言葉は読解のうえで重要な語だったりするため、無視することはできません。

そこで、現代文重要語をまとめた単語帳を活用しましょう。

これで難しい言葉にも慣れることができます。

現代文重要語の覚え方については以下の記事で解説しています。

現代文重要語も理解して暗記しよう!

文法の学習

現代文の得点力をアップしたいなら、漢字と重要語を覚えることが必要です。

そして同時に文法の学習も行いましょう。

日本語の文法で重要なのは品詞の分類論理語です。

なぜ品詞の分類と論理語が重要なのかといえば、それらがわからないと文の意味を誤って受け取ってしまうからです。

現代文のテストで点がとれるというのは日本語が正しく読めることを前提にしています。

塾や家庭教師で指導していると、意外と正しく読めない生徒は多いです。

基礎基本をしっかりと身に付けましょう。

品詞の分類

現代文読解で重要な「品詞」とはなんでしょうか。

品詞とは、言葉を性質ごとに分けたものです。

例えば、名詞、動詞、助動詞などがあります。

品詞の分類は、高校に入るまでに中学校あたりで習う内容のはずです。

しかし、意外と多くの人が品詞の分類を身に付けずに高校の国語に取り組んでいます。

この機会に一度復習しましょう。

ある言葉を見たときに、それが助動詞助詞か見分けられるでしょうか。

正しく文の意味を把握するために、品位の分類が自信をもってできるようにしましょう。

(品詞の分類は古文でも重要な知識・スキルです。)

品詞の分類については以下のサイトに詳しく書かれています。

国語の文法 単語の分類(3)品詞の分類

ある程度国語を真面目に勉強してきた人なら理解できるはずです。

もし上記の品詞の分類の記事を読んで理解できなかったら、このサイトの記事を最初から全部読みましょう。

国語の文法

全部といっても記事数は限られていますから、読み切れるはずです。

(逆に、この程度の努力ができないようでは成績は上がりません)

論理語

国語文法で品詞の分類と並んで重要なのが論理語です。

論理語とは、論理を表す語のことで、文と文の関係を示すものです。

例として、太宰治の「走れメロス」で論理語を見て見ましょう。

メロスは激怒した。必ず、かの邪智暴虐の王を除かなければならぬと決意した。メロスには政治がわからぬ。メロスは、村の牧人である。笛を吹き、羊と遊んで暮して来た。けれども邪悪に対しては、人一倍に敏感であった。

「走れメロス」の冒頭で、主人公のメロスは激怒しています。

なぜ激怒したかといえば、王の行いが暴力的で残酷だからです。

とはいえ、メロスには政治のことはあまりわかりません。

しかし、政治に関心のなかったメロスでも激怒するほどの出来事がありました。

それが「必ず、かの邪智暴虐の王を除かなければならぬと決意した。」の部分です。

ここの文章を3つに分けて整理すると

①メロスは激怒した😡。必ず、かの邪智暴虐の王を除かなければならぬと決意した😤。
(感情的な事実)

②メロスには政治がわからぬ🙃。メロスは、村の牧人である。笛を吹き、羊と遊んで暮して来た。
(メロスの状況説明)

③けれども邪悪に対しては、人一倍に敏感であった😬。
(①の理由説明)

ということになります。

この文章の特徴は、「メロスは激怒した。」という衝撃的な一文で始まっていることです。

これは作者の太宰治が読者を引きつけるために考えた構成です。

このように最初から断定の形で書かれると、読者は「メロスって誰?なんで怒ったの?」と疑問を持ちます。

このように読者に疑問を持たせて物語に没入させることが太宰の狙いです。

では、メロスとは誰で、なぜ怒っているのでしょうか。

メロスがどんな人物か説明しているのは以下の文です。

「メロスには政治がわからぬ。メロスは、村の牧人である。笛を吹き、羊と遊んで暮して来た。」

そして、メロスが怒っている理由を説明しているのは以下の文です。

「けれども邪悪に対しては、人一倍に敏感であった。」

まとめると、

「メロスは政治のことはよくわからない。しかし邪悪に対しては人一倍に敏感なため王の邪悪に対して激怒した。」

ということになります。

話を戻すと、この文章で大切なことは論理語です。

そして、この中にある論理語は「けれども」です。

この文章を簡単にまとめると

「メロスは激怒していて、それはメロスが邪悪を許さない性格だから」

ということになりますが、実際にはそんな単純な話ではありません。

たしかにメロスは邪悪を許さない性格ですが、もともと政治のことはわからないのです。

  単に「メロスは悪が嫌いだから怒った」のではなく
「政治がわからないメロスでさえ怒るほど王の暴政がひどかった」
ということです。

このような文章の構成と「けれども」という言葉が入ることによって、「走れメロス」の冒頭は読者に衝撃を与え、名作として多くの人に読まれることになりました。

このように、文章の構成と逆接の接続語「けれども」のような論理語が文章に躍動感やリアリティを与えるのです。

だからこそ「論理語」が重要なのです。

論理語には、「けれども」「しかし」といった逆接の接続語以外にも「だから」「よって」などの順接の接続語をはじめとして沢山の言葉があります。

このような、文の論理(ロジック)を表す言葉には注目する必要があります。

なぜなら、その言葉があるかないかによって文章の意味や雰囲気が全く異なるものになってしまうからです。

これからは、論理語をはじめとして色々な言葉や文法に注意して現代文の読解に取り組んでみてください。

同じ文章も、深い日本語力で注意深くみていくと、それまでと少し違ったふうに見えるはずです。

そしてその時、少しだけ現代文の力が上がっていることでしょう。

STEP1でおすすめの本を一冊紹介しておきます。

《改訂版》田村のやさしく語る現代文

この本は、全員やっておいた方がいいでしょう。

現代文という科目がそもそもどんなものかということから、読解に必要な文法まで解説されています。

現代文の参考書はテクニックを紹介するものが多いなかで、この本はテクニック以前の心構えについて語っている貴重な情報源です。

STEP2 現代文評論読解の基本的な方法を身につける

STEP2では、STEP1の内容が身についているという前提で現代文読解の方法を紹介します。

取り組む順番の確認

STEP2はできればSTEP1と同時進行で取り組んで頂きたいです。

なぜならSTEP2の読解法はすぐ使えて短期的に点数が上がる反面テクニックに囚われることになりがちだからです。

読み方の型を身に付けよう!

では、STEP2の具体的な内容に入ります。

STEP2では、現代文読解の基礎的な方法論を学びます。

まず、現代文読解には2つの流派があります。

1つは「公式派」、もう1つは「演習派」です。

公式派は、どちらかというと現代文の読解には公式があると考える人たちです。

予備校の講師でいうと東進の出口汪先生や代ゼミの船口明先生が公式派に分類されます。

 出口先生。現代文の講師のなかでは「今でしょ」の林修先生に次ぐくらい有名。

船口先生。参考書に書かれた熱い言葉が最高な先生です。

現代文の読解にはルールがあり、そのルールを覚えて身につけることによってどんな問題でも解けるというのが公式派の考えです。

例えば、評論なら以下のようなルールがあります。

評論には序論・本論・結論という構成のものが多い。
だいたい序論は問題提起、本論は説明、結論は筆者の一番の主張である。
 
 
画像の出典 : 卒業論文執筆へのアドバイス 序論・本論・結論 | 社会人の大学院研究生活
 
また筆者の主張は抽象的な話として展開され、その主張の説得力を高めるために根拠が続く。
根拠は具体例を含むこともある。
 

このルールから、読解では序論と結論の内容をおさえることが重要だとわかります。

また、全体的な筆者の主張を捉えるためには抽象的な部分を読めばいいこともわかります。

全ての文を同じ感覚で読んでいたら読解が進まないため、じっくり読むところ(主張)と急いで読むところ(根拠・具体例)を分けるのです。

それに対し、演習派は現代文読解で問題演習を重視します。

演習派は大多数の学校や予備校、塾の先生たちです。

沢山の問題を解いて、考えることにより現代文の正解を導く力が鍛えられるというのが演習派の理論です。

ちなみに学校の授業で読解のテクニックをあまり教えてもらえないのは、学校の先生には演習派が多いからです。

公式派の場合、一度公式を覚えるとあとは公式に当てはめるだけでかなりの問題を解けるようになります。

即効性が高いのは公式派の読解法です。

しかし、色々な問題を解いていくなかで公式だけでは解けない問題も出てきます。

そうすると公式の数を増やして対応することになります。

公式派の良さは、少ない量の公式で沢山の問題を解けることですから、公式の量が多くなっては本末転倒です。

そこで、演習派の先生たちは「万能の公式など存在しないのだから、色んな問題を解いてその都度慣れていくしかない」と言うのです。

実は、この公式派と演習派の論争に正解や勝ち負けはありません。

そのうえで、高校生・受験生が現実的に問題に向かうとしたら、どうしたらいいでしょうか。

私は、公式派と演習派の両方の参考書を手にとってみることを提案します。

公式派の本は出口先生の「システム現代文」シリーズや「出口汪現代文講義の実況中継」、船口先生の「船口のゼロから読み解く最強の現代文」があります。

演習派の本は沢山ありますが、評価が高いものだけ紹介します。

【演習派の参考書・問題集】

河合塾系

現代文と格闘する

入試現代文へのアクセス

入試精選問題集 現代文

Z会系

入門編 現代文のトレーニング

必修編 現代文のトレーニング

演習派の本で、このあたりなら間違いはありません。

ただ、Z会系は解説の口調が硬めなため合わない人もいるかもしれません。

実際に書店で手にとってみるか、Amazonのレビューを見るかして考えて見るとよいでしょう。

私だったら、とりあえず出口先生のシステム現代文のシリーズをやります。

少し解説すると、出口先生と船口先生の本は論理を使って読解するというものです。

また、演習派の本は「真っ当に読んで真っ当に解く」というものです。

もし余裕があれば、まず公式派の本で公式を身に付け、そのあと演習派の本で力試しするとよいでしょう。

とはいえ、理系の生徒は公式派の本だけで十分かもしれません。

私は文系で受験したため、現代文の勉強にはかなりの時間を使いました。

この先のSTEP3も、受験科目として現代文の比重が大きい人とそうでない人でやることが変わってきます。

STEP3 現代文評論の演習問題を解いて実力をつける

STEP1とSTEP2が終わったら、演習に入ります。

演習では、各自が受験する試験に合わせて受験を意識した勉強をしていきます。

演習の目的は、STEP1、STEP2で身に付けた深い日本語力を定着しアウトプットすることです。

STEP2では論理的読解の公式であったり「真っ当に読んで真っ当に解く」ことをやりました。

一方、STEP3では現実的な解き方を身に付けます。

実際の入試問題は素直な出題の問題ばかりではありません。

入試では参考書に載っているような扱いやすい文章だけでなく、読むのも解くのも困難な文章が出てくることがあります。

その時に役立つのが問題演習の経験です。

具体的には、設問の選択肢の選び方などがあります。

例として

「選択肢ア、イ、ウ、エ、オのなかから最も適するものを一つ選べ」

という問題を挙げると

全ての選択肢をボーっと眺めるのはあまりいい解き方とは言えません。

限られた試験時間で効率よく点をとるためにはコツがあります。

私なら、消去法で解きます。

5択の設問なら、1つや2つは明らかにおかしな選択肢があります。

ひとつひとつの選択肢の文の後半をよく見ると、明らかにおかしな部分があるはずです。

そういった選択肢を除くと、残りの選択肢は3つか4つ。

そこで本文の論理(公式派の考え方)を設問で使うと選択肢は2つくらいに絞られます。

あとは、2つの選択肢のうちより正解に近そうなものを選びます。

最後、2つから1つを選ぶのは本文の精読です。

不正解の選択肢には不正解になるだけの理由があります。

STEP2で身に付けた理論と、消去法などのテクニックを組み合わせるとだいたいどんな問題でも解けます。

また記述式問題なら、20字〜30字が一つの回答に必要な要素として回答を作ります。

例えば40字で回答する場合は要素が2つ。

75字なら要素が3つ。

というふうに考えて回答の要素を本文中から探します。

このように解けばだいたいの問題は大丈夫です。

ただ、大学入試の過去問を解いていると数年に一回くらいは教師でも答えが分かれるような選択肢もあったりします。

そういった難問・奇問は「捨て問」です。

捨て問とは、それ一問ができなくても不合格にはならないので切り捨てる問題のことです。

そういった実際の入試問題の理不尽さを知っておくこともSTEP3の目的の一つです。

センター試験(共通テスト)や私立大学入試問題、国公立二次試験の問題など、自分が受けるテストの過去問を解いて実力を鍛えましょう。

現代文はここまでやれば大きな失敗はしなくなるでしょう。

STEP3をある程度進める頃には現代文の点数は安定してくるはずです。

もし点数が安定しなかったら自分で原因を考えてみましょう。

多くの場合はSTEP1かSTEP2の実行が不十分なことが原因です。

またSTEP3を突き詰めると、現代文の内容の話になってきます。

現代文の評論で扱われる文章は哲学とか思想がテーマのことが多く、これら思想の知識もあると便利です。

私のように現代文のテーマに詳しくなりすぎて逆に内容を素直に読めなくなる人も中にはいますが、ごく一部なので気にする必要はありません。

難関大学の現代文は、テクニックだけで乗り切れるようなものではありません。

本物の「知性」を問うているかのような問題もあります。

これらの問題に向き合う方法は、この記事では扱いきれません。

東大、早稲田、MARCHなど難関大学の現代文問題の解き方はまた別の記事を書く予定です。

またSTEP3でおすすめの本は個別に紹介していきたいと思います。

今回は一旦ここまで。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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