進化心理学と行動経済学は違う学問です。

進化心理学

よく、「進化心理学と行動経済学はどう違うんですか?」と訊かれます。

よくある質問なので、きっと多くの方が進化心理学と行動経済学に近いものを感じられて、そう訊かれるのでしょう。

しかし、私自身は進化心理学と行動経済学は別の学問だと思っています。

それどころか、かなり違うと思います。

 

進化心理学と行動経済学は違う学問です。

 

何が違うかというと、進化心理学は遺伝子を基準に人間の行動を考えます。

行動経済学は遺伝子を基準に考えているわけではありません。

これが2つの学問の違いです。

 

ここで「以上!」と終わらせてもいいのですが、もう少し説明しましょう。

おそらく、「何が違うんですか?」という質問の意図はこんな感じだと思います。

「進化心理学も行動経済学も、人間の本性から意思決定や行動を考えているから、両者は似ている。何が違うんだろう?」

それに対して、私ならこう答えます。

「進化心理学は進化論から考えるアプローチです。進化論は現代では生物学で扱われています。現代の生物学と、遺伝子から人間の本性を考えるのが進化心理学です。」

誤解を恐れずに言えば、進化心理学は生物学の理論で社会を解明するアプローチです。

だから、進化心理学は生物学をベースとしています。

一方で、行動経済学は経済学をベースとしています。

基礎となる学問が違うという点が、2つの学問の方向性を位置付けているのです。

 

本音で言えば、進化心理学と行動経済学は全く違います。

これはあくまで私の個人的な感情ですが、できれば一緒にしないでいただきたいです。

 

進化心理学という新しいものを知ったときに、既知のもの(行動経済学)と結び付けて理解しようとするのは人間の特性として普通だと思います。

しかし、その2つの違いは大きなものです。

感覚的には、進化心理学者は経済学者と行動経済学者のやりとりを一歩引いて見ている気がします。

限定合理性の話など。

 

また進化心理学はどうなのかわかりませんが、行動経済学は一部に信頼性の問題があります。

あくまで個人的意見ですが、行動経済学とはしばらく距離をおいた方がいいと思います。

↓こういう問題もあるので。

 

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行動経済学の有名な論文を検証したら、論文に書かれている効果を再現できなかったというような話です。

しかも、データの捏造疑惑も一部あると。

困りましたね…

 

進化心理学と行動経済学のどちらがより面白いと思うかは人によって変わります。

両方に興味がある人は両方の本を読んでみたらいいと思います。

進化心理学でおすすめの本は以下にまとめましたので、ご覧ください。

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