一橋大学の新学部、ソーシャル・データサイエンス学部についての感想

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こんにちは。Yです。

一橋大学に新学部ができるそうです。

名前は、ソーシャル・データサイエンス学部です。

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私は、CASTDICE TVで知りました。

ぶっちゃけ、この学部の第一印象は、「学部名が長い」です。

学部名が長いと、学生が履歴書とかに大学・学部を書くときに大変なんです。

まあ、東大とかも大学院の専攻とかになると長い名前はあったりしますが。

大学院ならわかるんですけど、学部でこんなに名前が長いと大変ですよね。

あとは、なぜカタカナにしたのかという疑問。

漢字で「社会数理学部」じゃだめなんでしょうか。

ホームページを見ましたが、この学部で何を学べるのかはよくわかりませんでした。

もちろんカリキュラムは見たんですが、このカリキュラムでいけるのか?ということです。

ホームページには機械学習と書いてありましたが、人工知能をガチでやりたい人は一橋である必要がないと思います。

一応、機械学習に必要なデータを沢山持っているとかであれば強みになるのかもしれませんが。

でも、オープンデータなら誰でも見れるし、クローズドなデータだったら企業と提携するとかで、それは東大や東工大でもやってそうです。

新学部は一橋にとっては必要な学部なのかもしれませんが、受験生の視点で見ると一橋じゃなくて東工大でいいような。

ただ、東工大の情報系は近年かなり難易度が上がっているようなので、選択肢が増えるという意味ではいいかもしれません。

最近の情報科学ブームはすごいですからね。

何十年かに一回やってくるAIブームもありますし。

流行りに乗っかって学部新設っていうのは海外大の経営だとよくあるみたいですが。

それはマーケティング視点ですね。

私大ではなく国立大の一橋がやるということは、単に流行りに乗っただけでなく本当に必要だと思ったからやっているのでしょう。

それに、一橋は数学2Bの問題でも数学3の知識を使えると楽に解ける問題があると聞いたことがあります。

昔から理系の学生が好きそうなイメージはありました。

結局、文系だけの大学よりも東大みたいな総合大学の方が強いってことですね。

ただ、今回の学部新設はかなりビジネスに寄っている感じがします。

企業が欲しい人材を輩出します。みたいな。

そうすると、一橋がもともと東京商科大学だったという歴史から見て順当なのかもしれません。

ただ、やはりソーシャルとデータサイエンスだと、どっちつかずになりそうです。

私は慶應の環境情報学部出身ですが、理系と文系両方やるっていうのはかなり厳しかったです。

学部の4年間だけだと、理系科文系のどちらかしか学べないと思います。

バイトも恋愛も遊びも全部捨てて勉強しかしないならできるかもしれませんが。

そうすると、4年間だけで文系理系の両方を極めるのは無理なので、院進前提なのでしょうか?

正直、学部4年間で経営学の知識とかはそんなにいらないと思います。

経営学も学んだ私が言うのも変かもしれませんけど。

学部の4年間は情報科学に特化して、経営学はMBAみたいな感じで大学院で学ぶ方が良さそうです。

まあ、完全に理系に振り切るのではなく文系要素を残すというのが妥協点なのかもしれませんね。

学費の面で考えると、東大に落ちて慶應理工に通うよりは東大を諦めて一橋の新学部に通う方が安くなりそうです。

そういう受験の仕方もあるのかな。

ただ、そうなると結局、新学部が東大・東工大の仮面浪人先になると思うんですよね。

現に慶應理工は東大・東工大・医学部志望の仮面浪人生が多いので。

そこまで分かっていて作るんでしょうか?

ただ、後期は理系の学生が有利な配点になっているので、理系拾いを堂々とやるのはいいと思います。

ほかに気になる点といえば、ホームページに書かれていた問題解決ですかね。

社会の問題を解決するといっても、一人で問題解決するわけではないと思います。

まずは理系的な技術を持った人がいて、その人が文系的な素養を持った人とコラボするのがうまくいく気がしませんか?

理系の人は数学とか技術に特化して、文系的なことは他の人と協業してやったらいいと思うんですよ。

一人であれもこれもやるのは負担が重すぎませんかね。

それに、問題解決のスキルは数学や物理や化学をちゃんとやったら自然と身につくはずです。

物事を抽象化するスキルは数学や物理で身に付きますから、経営学風の問題解決術を改めて学ぶ必要はないと思います。

人とのコミュニケーション能力も、論文を書いて学会で発表すれば向上するでしょうし。

過労覚悟で文理融合を本気でやるのか、院進前提なのか気になりますね。

同時に大学院も新設するので、院進前提なのかもしれません。

ここまで個人の感想を書いてきましたが、もう少し今回の学部新設のメリットを分析してみましょう。

まず、単純に大学全体の定員が増えそうです。

前提として、私立大学と比べると国立大学は定員が少ないです。

少数精鋭みたいなイメージです。

とりあえず、もともと人数が少ない国立大学なら人数が増えていいと思います。

数は力ですからね。

それに、新学部は既存の学部とは受験生の層が重複しなさそうなのでよかったです。

層がかぶると単に学力の低い人が入りやすくなる可能性もありますからね。

文系と理系で分けることで勢力を増大しつつ質は担保すると。

次に、既存学部との関係について。

まあ、新学部と既存学部が連携するかどうかは分かりませんが、データを使った研究が増えそうです。

逆に、理系の人からすると「データを使わない研究って何?」って思われそうですけど。

法学部だとデータを使わない研究もあると思います。

別に法学部でもデータを使っちゃいけないわけじゃないんで、どんどんやったらいいですよね。

最後に、大学全体の改革について。

今回の学部新設って、そのニュース単体を見るとよく分かりません。

なんでこのタイミングで?と思いますよね。

でも、以前から大学改革を志向していて、学部新設がその流れの一部だとしたら分かる気がします。

一橋には経営管理研究科(一橋ビジネススクール)があります。

経営管理研究科にはイノベーション研究センターもありますから、イノベーションへの関心は高いといえます。

一橋の前身となる東京商科大学は、森有礼が日本の国家独立のために経済を強くすることを目的として作ったと言われています。

だとすれば、今回のソーシャル・データサイエンス学部の新設は目的に沿っていますね。

一瞬、Appleのスティーブ・ジョブズみたいな人材に憧れているのかと思いましたが、それは違う気もします。

今の日本にはシリコンバレー的な環境が必要だ、みたいな安直な議論ではないと。

スタンフォード大学のコンピューター・サイエンス学部みたいなのともちょっと違う。

IT起業家みたいな方向だと東大が圧倒的に強いので、それとも違う気がしますね。

一橋の学生って東京の学生起業家のコミュニティーでもあんまり見たことがなかったので。

やはり、自分が起業するというよりは、大企業を内側から変革していくような感じでしょうか。

新学部・研究科の卒業生・修了生については、卸売・小売、通信・交通、製造業をはじめとした情報技術を活用するさまざまな企業において、データ分析のプロジェクトを統括するマネジメント力を発揮できる職種-プロダクトマネージャー、ビジネスデザイナーなど-での活躍を想定しています。

また、政策機関や金融機関において政策効果分析・リスク分析を行うグループを統括したり、コンサルティングファームやシンクタンクにおいてさまざまなビッグデータ分析をグループで推進するアナリストなども想定しています。

さらに、大学や研究機関における社会科学、人工知能学、認知科学、統計学など分野横断的な学術研究者、あるいは独立起業を目指す卒業生・修了生が生まれることにも期待がかかっています。

一橋大学ホームページより

なんか、卒業生の進路はフワッとしている印象を受けました。

プロジェクトマネージャーは需要があると思うんですけど。

でも、いきなりプロマネになるよりはまずITエンジニアとして働くのではないかな。

一部のメガベンチャーでは新卒でいきなりプロマネになる人もいるようですが。

この辺はあまり知識がないので良く分かりません。

政策機関や金融機関で分析をする人は理学部の数学科か物理学科出身の人でいい気がしました。

コンサルやシンクタンクも人数的にそんなに大きな業界ではないような。

いくら一橋が少数精鋭の学校だとしても、その業界はそんなに定員がないと思うんですよ。

でも戦略案件のコンサルタントではなくビッグデータのアナリストなら需要があるのかな。

その他もまあ…という感じです。

卒業後の進路は正直プロマネ以外よく分かりませんでした。

でも、一橋卒の肩書きが手に入るならいいですよね。

就活のときに学歴フィルターは突破できるので。

学歴フィルターを突破した上で、理系です、情報系ですという顔をしていれば意外性もあって文系の総合職にはなれそう。

金融機関だと受けはよさそうじゃないですか?

銀行とか。

逆に、理系の研究開発職としての採用だと情報系のガチプロと競合するのは悪手だと思いますね。

「PCが好きで好きで仕方ない、趣味はパソコンです」という人は東大か東工大、その他理系の学部に行ってしまいますし。

あと、一度ブームになった領域からあとから参入するのって結構レッドオーシャンな気がするのですよ。

ビジネスにITが必須になったとはいえ。

だったら、今流行っていないけれど10年後、20年後に必要になりそうな分野に投資するのが経営者ではないですか?

しかし、米国や中国のIT巨大企業が存在感を増す中で、日本がIT化に置いていかれないように最後の抵抗をしなくてはならない。

そのための人材育成が必要ってことなんでしょうね。

攻めとして面白いかどうかは別として、日本の政策としても守りの面では情報系学部の拡大は避けられないってことですね。

情報系って、数十年前はパソコンオタクの巣窟みたいなイメージだったのが、ちょっと前にはITエンジニアかっこいいという風潮になりました。

小学校でもプログラミング教育をする時代ですし、間違いではない選択だと思います。

ただ、この学部を卒業して、卒業後何十年もそのスキルで食っていけるかは不明です。

それでも、一橋に入れるくらいの頭の良さならなんとかなると思うのですよ。

問題は、私みたいな数学のできない人間がどう生きるかということであって。

総合的な感想としては、ソーシャル・データサイエンス学部は結構いいと思いました。

最初は名前が長すぎるとか言ってましたが、自分が老害になったからそう思うのかもしれないですし。

色々と疑問はありますが、その答えは今後の情報公開で明らかになるでしょう。

いま、大企業だとアクセンチュアなどのITコンサルが企業のIT化を進めているところだと思います。

そういったことを、今後は日本企業が自分たちでやっていく必要があるわけです。

そういう時代背景を考えると、新学部創設は必然の流れかもしれません。

でも、ずっと文系の大学だったのに理系っぽい学部を作るということは相当大きな決断です。

学長をはじめとする運営陣の意思決定がすごいと感じました。

一橋大学のホームページから第4期(令和4年度~令和9年度)の中期計画を見ると、学部新設それ自体よりも、全ての学部の研究の質を向上するという志向を感じました。

既存学部でも研究の質を向上し、グローバルに戦える、評価の高い大学を目指しているように思います。

世界大学ランキングを意識しているかどうかは分かりませんが、かなりデータドリブンな意思決定をしていそうでした。

今回の学部新設は、ソーシャル・データサイエンス学部単体で見るのではなく、大学全体の改革の一部なのだという感じを受けました。

そういう意味では、これからの一橋大学が楽しみです。

楽しみです、というと上から目線な感じがしますが、私も入学してみたくなりました。

私はその前に数学の勉強を頑張らないといけませんが。

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